薬局のお仕事について【第3回 特に気をつけたい「薬の飲み合わせ」/「食べ物」や「栄養素」と相性が悪いこともある】

おくすり手帳の画像

<特に気をつけたい「薬の飲み合わせ」>

世の中には非常に多くの薬が存在します。

さらに、同じ薬でも「商品名」で流通している薬と「成分名」で流通している薬もあるため、過去に同じ薬でも名前が違うために別の薬だと思い、間違って一緒に飲んでいたという患者さんもいらっしゃいました。

そんな時に色々な病院の薬を同じ薬局(かかりつけ薬局)で受け取っていただくか、お薬手帳を持ってきていただくと同じ薬を間違って飲むリスクを減らすことができます。

また、別の種類の薬でも絶対に一緒に使ってはいけない組み合わせがあります。

例えば、不眠症治療薬のベルソムラはマクロライド系抗生物質のクラリスとの相性が悪く、一緒に使ってはいけません。

内科で処方されたベルソムラを毎日服用されている方に耳鼻科からクラリスが処方されたというケースもあるため、複数の病院にかかられていると見逃されがちな薬の飲み合わせを確認することも薬剤師の大事な仕事です。

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<「食べ物」や「栄養素」と相性が悪いこともある>

薬同士の相性だけでなく、食べ物や栄養素と相性が悪い薬もあります。

花粉症シーズンによく使われる抗ヒスタミン剤のビラノアはお腹に食べ物が入った状態で服用すると効果が弱くなります。そのため、起床時や就寝前の胃が空っぽになったタイミングで服用を指示されます。

しかし、中には仕事や起床時刻の都合で指示された飲み方では薬の効果を十分に発揮できない方もいらっしゃいます。

その場合は、患者ひとりひとりの生活習慣から、一番効果が発揮できる適切なタイミングを医師に提案しています。

また、血栓を作りにくくするワーファリンはビタミンKと相性が良くありません。そのため、ビタミンKが豊富に含まれる納豆や青汁といった食べ物には注意が必要です。

薬の効果に影響する食べ物を日常的に食べていないかも薬を用意する段階で確認しています。

今堀さんの画像久津川ゆう薬局
薬剤師 今堀 翔太氏