食塩の摂り過ぎは万病の元【コラム/京都文教短期大学 田中教授】

減塩は、健康を損なうリスクをできるだけ小さくするために、ぜひ身につけたい食習慣です。食塩のとり過ぎが高血圧の原因となり、日本人の死因の上位を占める心疾患や脳卒中などの脳血管疾患、慢性腎臓病のリスクを高めるからです。国内外の多くの研究から、1日の食塩摂取は、5~6gに抑えるのが良いことが分っています。世界保健機関(WHO)は、成人に対して5g/日未満を推奨しています。

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個人差はありますが、減塩をすると血圧は確実に下がります。国の調査によると、70歳以上では、高血圧予備軍も含めると、4人に3人の血圧が高いという結果がでています。年を取ると血管が硬くなるためです。しかし、上の図のように、食塩摂取量を減らすと、加齢による血圧上昇を低く抑えられます。また、過剰のナトリウム(食塩の成分)自体が、血管壁に直接悪影響を及ぼすことも分かっています。

食塩のとり過ぎは胃がんのリスクも高めます。日本での大規模調査では、いくらや塩辛などの食塩濃度の高い食品をよく食べる人で、胃がんが多いことが示されています。その理由として、胃の粘膜が食塩のダメージで炎症をおこして、発がんのリスクが高まることや、発がん因子であるヘリコバクター・ピロリ菌の影響を受けやすくなることが知られています。

また、食塩の摂取量は、骨粗しょう症や腎結石とも関係することが知られています。血液中のナトリウムの濃度が高くなると、尿中へのカルシウムの排泄が促進されるためです。

もちろん食塩は生きるために必要ですが、1日4g程度の摂取で十分です。とり過ぎは万病の元。減塩のコツを身に付けて、健康を損なうリスクを減らしましょう。

田中惠子 教授・博士(薬学)/京都文教短期大学 食物栄養学科