塩辛いものを食べたつもりはないのに、塩分をたくさんとってしまうことがあります。食塩は食品の加工に使われると、塩味を感じにくいからです。たとえば、食パン1枚(6枚切り)には0.8g、スライスチーズ1枚には0.4g、ハムには2枚で1gの塩分が含まれます。食パンにハムとチーズをのせてトーストすると、朝食の美味しい一品となりますが、それだけで2gの塩分です。ドレッシングをかけたサラダとスープを添えると、すぐに3~4gとなり、一日の減塩目標量である6gの半分以上をとってしまうことになります。
このように、気づきにくい塩分のことを「隠れ塩分」と言います。減塩する上では、この「隠れ塩分」を意識することがとても効果的です。「隠れ塩分」の量は、栄養成分表示を見れば分かります。ハムとチーズをのせたトーストで塩分が2gとわかれば、ドレッシングを控えて、スープをミルクや野菜ジュースに変えることにつながるでしょう。「隠れ塩分」に気づくために、栄養成分表示を見る習慣をもちましょう。
田中惠子 教授・博士(薬学)/京都文教短期大学
※HEALATHOの減塩事業は、京都文教短期大学様との協働事業です。