離乳食が終わり、大人と同じ食事をとる機会が増える幼児期は、食塩の摂取量が多くなりがちです。1~5歳の目安は1日3g程度までとされていますが、国の調査では4~5g以上摂取している幼児が半数を超えています。日本の幼児の多くが食塩をとりすぎているのが現状です。未熟な腎臓にとって、食塩のとりすぎは大きな負担となります。さらに、幼い頃から濃い味に慣れると、大人になっても食塩の多い食事を好みやすくなり、高血圧など生活習慣病のリスクが高まります。実際、血圧の上昇には加齢よりも、長年にわたる食塩摂取の積み重ねが大きく関与していることがわかっています。幼児期からの減塩は、生涯の健康づくりの第一歩なのです。
香辛料などを除けば、大人向けの減塩の工夫は幼児にも応用できます。昆布やかつお節などのうま味、旬の野菜の甘味、牛乳や乳製品のコクを活かすことなどがおすすめです。そして何より、親や祖父母が日頃からうす味を心がけることが、子どもの健やかな味覚を育てます。家族みんなで、味覚と健康を育む食卓づくりを始めてみませんか。
田中惠子 教授・博士(薬学)/京都文教短期大学
※HEALATHOの減塩事業は、京都文教短期大学様との協働事業です。









