どうやって使う?薬局でもらったこのくすり【5 注射薬】

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注射は効果がはやい

注射は、お薬が速く効果を表す投与方法です。
ワクチンなど、医院や病院で行う注射剤が思い浮かびますが、処方箋を交付し薬局から受け取ることができて、ご自分で、またはご家族が自宅で簡便に注射を行える製剤もあります。
注射には、針を刺す前の消毒など、使うために知っておくべきことがありますので、必ず医師・看護師や薬剤師から使用方法について指導を受け、正しく使用してください。

 

インスリン製剤

糖尿病の治療に用いられる製剤で、インスリンを皮下注射することが可能です。痛みの少ない細い針を装填し、単位数を体調、血糖値や食事内容に合わせて設定することができます。
長時間作用し基礎分泌に相当するインスリンを補う持効型と、食事の直前に投与して食事による血糖上昇を抑える超速効型を使い分けるのが一般的です。また、これらの利点を併せ持つ混合型製剤もあります。

 

抗体薬製剤

リウマチなどの自己免疫疾患の治療に用いられる生物学的製剤です。小さな握力による簡易な操作で自動的に注入が完了するオートインジェクターなどの製剤がたくさん開発されています。

 

アナフィラキシー補助治療剤

アドレナリン筋肉注射用の製剤です。太ももに強く押しあてて使用します。食物やハチ毒などにアレルギーを持ち、アナフィラキシーを起こす方向けの、治療剤です。こどもでも使用できるように、使い方が簡単で、針が見えない安全な製剤になっています。
室温(1~30℃)で保管が可能です。使用期限は1年とされていますので、毎年新しいものの交付を受けましょう。

 

点滴薬:電解質製剤、中心静脈栄養(TPN)用製剤

点滴剤のうち、一般的な電解質製剤や中心静脈栄養に使われる高カロリー輸液製剤、オピオイド鎮痛薬や吐き気止めなど、自宅で生活しながら療養する方が使えるよう、処方箋により薬局で交付できるものがあります。病院での払出のみの薬剤もあるため、患者さん本人やご家族と、主治医や薬局がよく相談して連携をとっています。
処方箋で薬局から輸液を交付するメリットは、患者さん本人やご家族の輸送の手間が大幅に削減できるところです。

 

このほかにも、腹膜透析に使われる薬剤や、家族性高コレステロール血症、成長ホルモン、高悪性腫瘍薬などが、処方箋で交付可能です。

 

「こまだゆう薬局」管理薬剤師 中川 史津氏の画像こまだゆう薬局
管理薬剤師 中川 史津氏