ツナ缶やサバ缶などの魚の缶詰は、手軽に利用できる栄養価の高い食材として人気です。災害時の備蓄としても役立ちます。中でも、様々な料理に使える水煮缶は特に人気があります。しかし、水煮缶を使う際には塩分に注意が必要です。「水煮」と書かれていても、100g当たり約1gの塩分が含まれています。図のサバ缶では、1缶(190g)で1.8g の塩分となります。缶詰を使う際には、必ず栄養成分表示を確認しましょう。
塩味のある水煮缶は、おろししょうがや、レモンを添えるだけでも美味しくいただけます。また、野菜と組み合わせて、サラダや炒めものに使うと良いでしょう。缶の汁は捨てずに活用することをおすすめします。汁にはDHAやEPAなど魚の栄養素やうま味が溶け出しているので、だしやスープに使うと料理のベースになるからです。缶詰の塩分量が分っていれば、味付けの際に塩分を控えることができます。最近では、食塩不使用や減塩の缶詰も増えてきています。減塩を心がけながら、魚を食べる機会を増やすために、魚の缶詰を上手に活用してください。
田中惠子 教授・博士(薬学)/京都文教短期大学
※HEALATHOの減塩事業は、京都文教短期大学様との協働事業です。